Aplaudoのブログ

ハンドメイド作家さんの作品を扱っている、茨城県水戸市南町3丁目のAplaudo(アプラウド)です。アプラウドの2階は、ギャラリー誉(よ)りみちです。

福岡伸一 さんの 新聞記事

生物学者福岡伸一さんの4/3朝日新聞の論評を読みました。

福岡先生がどのように解釈なされるのか、ずっといちファンとして心待ちにしていました。

ウイルスの存在について、腑に落ちた知見に出逢え、霧が晴れてやっと視界が開けてきた感じがしたので、簡単に、ここに内容を少しまとめます。

 


まずウイルスの起源

ウイルスは、さまよいつつ、数多く存在している。ウイルスは高等動物が登場した後に「遺伝子の一部」が外部に飛び出したものとして、あらわれた。

つまりウイルスは、もともと「私たちのもの」だったのだ。その存在は、高等動物の進化のプロセスの上に、温存されたのだ。

ウイルスこそ我々の進化を加速しているのである。

だから私たちの細胞は、極めて積極的にウイルスを招き入れているとさえもいえる。(まるで友だち関係にあるかのように。)

なぜ私たち側(宿主)が、ウイルス側(家出人)を、優しく迎え入れているのか。それは遺伝情報の伝達に深く関わっている。親から子に遺伝する情報は垂直方向だが、ウイルスのような存在は、情報は水平方向に、さらにいうならば、種を超えて伝達し得るからだ。

なので…、生命の進化に「不可避な」一部であるウイルスを、根絶や撲滅はできないのだ。

これまでも、これからも、ウイルスを受け入れて、生命自らが、自らを壊しつつも常に作り替えて、あやういバランスの上に保ちうる〝動的平衡〟の流れを生きていくしかない。

 

・秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない。

(一部は「生物と無生物のあいだ」からの出典です)

 


動的平衡は福岡先生が新しく導入された言葉。