Aplaudoのブログ

ハンドメイド作家さんの作品を扱っている、茨城県水戸市南町3丁目のAplaudo(アプラウド)です。アプラウドの2階は、ギャラリー誉(よ)りみちです。

「がん列車」

インド製のタオルやのれんやお洋服。本当に安くて、それでいて可愛いため、
私もよく買うのですが…。

実は昨夜のNHK・BSで、寒気のするドキュメンタリー番組を見てしまいました。

場所はインド北西部の、ある農村部です。
綿花を栽培していて、やがて製品になってヨーロッパの大きな小売店やスーパーなどに
輸出されています。

ところがここには通称「がん列車」と呼ばれる列車があるそうです。
毎朝走る列車の乗客はみんな、がん患者ばかり。
患者はここ数年で倍々に急増しており、その理由は、過剰な農薬散布らしいのです。

先進国では使用が禁止されている、発ガン性の高い危険な農薬なども
それとは知らされずに使われています。
それをタンクに入れ背中にしょって直接、Tシャツにはだしという無防備な姿で
年に20回ほど農民たちが撒いているのです。
(農薬のビンには、「防御服・マスクを着用する」とあるが、識字率が低いインドでは
理解されにくく、またそもそも危険への認識がとても低いといいます…)

がん患者(農民)が向かう病院。
死期が迫っている患者たちが並び、ただぼうっと横たわっています。
中には気管支のがんが脳に転移し、片目の視力を失った少年の姿もありました。
なんてひどい…!!


番組は続き、同じくインド北西部の、
ヨーロッパ企業の孫会社が経営しているという染色工場です。
取材を断られたというジャーナリストは、ヨーロッパのディーラーを装って“潜入”、
その工場内部は、目を覆いたくなるまるで信じがたい光景が続いていました。

不潔な環境のもと、緑色や赤色の液体に硫酸だか塩酸だか、素人でも恐ろしい!とわかるような
猛毒(…といってもいいと思います!)が注がれ、そこに従業員がはだしのまま
五右衛門風呂のように(?)浸って、生地を染めているのです!!!

工場の煙突からは不気味な煙が吐かれ、近くの“溜め池”には工場の排水がどくどくと
垂れ流しにされていました。
成分は化学兵器に用いられるような毒薬だという専門家の分析でした。

周辺住民の健康も従業員の健康状態も酷く、しかも小さな子供たちまで労働に混じっていました。
工場側に訴えれば即刻解雇、仕事を失うため怖くて訴えられず、劣悪な労働環境の中、
日本円で月にして約6800円の労働を虐げられているのでした。

「人間と環境に優しいわが社の製品」 とのキャッチコピー。
そのヨーロッパの大きな小売店やスーパーが扱っていた商品が、
インドの貧しい人々の犠牲の下で作られていたなんて、恥ずかしながらまったく知りませんでした。

「安いからって、こんなひどい労働条件で作られた商品を買ってる私ってオオアホだーっ!!」
とマジで思いました。

フェアトレード…。最近耳にするこの言葉の意味をいま、真剣に考え始めた私です。