Aplaudoのブログ

ハンドメイド作家さんの作品を扱っている、茨城県水戸市南町3丁目のAplaudo(アプラウド)です。アプラウドの2階は、ギャラリー誉(よ)りみちです。

ブルーベリーの枝を折ってはいけない

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まもなく 来る3月11日。

写真家の故・星野道夫さんの
平成5年に刊行された本、
イニュニック〔生命〕」
には、
浸透力があり、まるで光りのレールのように
いつもひきこまれます。

どのページの、何行目から読んでも
アラスカの大自然
大地の人々、インディアンたちの息遣いに富んで、
星野さんが出逢い交わった人々の姿や
残すべき古い言い伝えの残照がやわらかく伝わってきます。


特に示唆に富んだ部分を、いま少し抜粋したくなりました。


(星野さんが興味を覚え、村の老人たちに聴いてまわったという、
200年前の予言者の話)

いつの日か、人々は、
鉄のソリに乗って空を
旅するようになるだろう。
帆を上げることなく、
川を旅することができるだろう。

シラカバの薄い木の皮に
何かを書き始めるだろう。
たくさんの新しい人間が
やがてこの土地に
押し寄せてくるだろう…。

人々の暮らしは急速に変わってゆくだろう。


いつの日か‘全知の源’の
ことを知るだろう。

あらゆる物が容易に手に入り、
生きてゆくことがもっと楽になる日が来る。

そのとき、私が今言っていることを理解するだろう。

『…シャーマンさえも、消え去ってゆくのだ。』


…☆…


(星野さんが出逢ったアサバスカン・インディアンの長老の話から)

私たちの昔の暮らし方と
今の時代を考えると、
本当に何もかも変わってしまった。

一生がどんなふうになってゆくのか
まったく見当がつかなくなった。

少しずつ悪くなっているような気もする。

まぁ、そんなこと一体誰が知るだろう。

たったひとつ考えられるいい方法は、
子どもたちをもっときたえることだ。

なにが正しいことなのか聞かせてやることだ …


…☆…


星野道夫さんは、
不安なことは、人の暮らしが変わってゆくことではない、
その速さであると言います。

例えば二千年前の弥生時代の分身は
わずか七、八十人先なのだと。
振り返り、少し目をこらせば
その男の顔をかすかに
読み取ることだってできる、
人間の歴史とは、
それほどついこの間の出来事なのだ。と…