そして、(星野道夫氏が)
アラスカを旅したときに出逢った、
キャサリンという女性から、こんな話を聞いたのだそう。
キャサリンのおばあさんは、キャサリンが小さなころに、こう言った。
それは「運」の話…
「子どもの頃、おばあさんとブルーベリーの
実を摘みに行った時のこと。
私はひとつひとつの実を摘むのに
飽きてしまい、たくさんの実がついた枝を折って
おばあさんに持っていったの。
その時こんなことを言われたのを覚えている。
『ブルーベリーの枝を折ってはいけないよ、
おまえの運が悪くなるから…』」
やってはならないタブーがあり、
その約束を守ることは
自分の運をもち続けること。
それを左右するものは、
その人間の、
自分を取りかこむものに対する関わり方らしい。
彼らにとって、それは
(自然)である。
生きものだけでなく、
無機物のなかにさえ
魂を見出そうとするアニマズムの世界である。
…☆…
以上 「イニュニック(アラスカの原野を旅する)」星野道夫著、新潮文庫より
…゜+。(*′+゜
昨日、宮城県東松島まで
届けものがあり出向いてきました。
往復700キロの車の旅。
津波をかぶってしまった農家の方々からも、
貴重な話をお聞きしました。
喜んでいただいて少し安心しました。
男の人たちの表情は
明るかったです。
海岸線は近いけれど、
家ごと吹きとばされそうな
ゴォーッという西風に巻き上げられました。