すでに出版されて数年経っていますが、
朝井 まかて著、直木賞受賞作「恋歌(れんか)」を読みました。
切なかった‥、終章につれて、
涙が流れました。
舞台は幕末動乱期、水戸藩の史実に基づいた天狗党の武士の妻、中島歌子のお話です。(実在した歌人)
水戸藩の歴史を調べあげ、地元でも知られていない逸話について描かれています。
作者の朝井まかてさんに、嬉しさも感じて読み進めました。
或ることを貫徹するということが、なぜこんなに普通ではなく厳しいのだろうかと、
抗いようのない時代の不条理さが、私の中で繰り返し湧いてこだま しました。
特に(第5章)赤沼の獄中。武田耕雲斎の家族たちが、悲哀な運命を遂げていく頁は、辛く美しすぎて、涙しました。
抑圧された貧しさは心を偏狭し蝕んで、
さらに弱い人々を虐げるー。
けれど、主人公は、時代ごとに
幸せになろうと目の前を生き抜いている。
弱さと尊さ、人間の本当の凛とした強さを見せつけられた気がします。
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ところで、歌人、中島歌子は、あの樋口一葉の先生でもあった人物だそうです。
少し調べてみると、歌子と、歌子の夫の水戸藩士である林忠左衛門 が住んでいた屋敷は、
どうやらあの 水戸芸術館の辺りだったらしく、、地元民として、若干 興奮してしまいました。
いつか、水戸芸術館で、中村歌子の作品を題材にして、展示があったらいいな、と期待を寄せます。(水戸芸は、現代アートが分野なので、難しいかな~。)
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この本をお薦めして下さったn様に
感謝します。
最後に、恋歌 の中で、
心深くに入って来たことば。。
「貧しさと抑圧を受け続けても、
誰かのために動ける、その尊さは
水戸の血の中に確かに残っていた」。
(爺やを回顧するところです)
長々とありがとうございました😊