脳梗塞で突然倒れてしまった友達が一命をとりとめてくれた。
毎日そのことが頭から離れなかったから少しだけホッとしている。
タイ国出身の彼女から以前もらった綿のベストを今は季節外れだったけど着てしまった。
何か、誰か…すがりたくなる。
樹齢500年の杉とケヤキの立つ、神社へ向かう道。
長い年月をかけて形成された樹皮は濁流みたいなうねり方で空をまるごと覆ってしまうのに、
その下に立っていると不思議に気持ちが静まってくるよう。
何かにじっと耐えながら、通り過ぎる時間を500年も見つめてきたの…。
悶々としながら答えを急かしても祈っても、泣いてみても、
巨大なケヤキはただ沈黙してる、ゆりかご。
私は誰に何かに、自分に…? 慰められているのだろうか。