Aplaudoのブログ

ハンドメイド作家さんの作品を扱っている、茨城県水戸市南町3丁目のAplaudo(アプラウド)です。アプラウドの2階は、ギャラリー誉(よ)りみちです。

さくら・桜・ア・ラ・モード ~Ⅱ~

私も大好きな詩人で狎鏝絽渋綮蹐猟構?瓩箸發い錣譴
茨木のり子さんの花物語、「さくら」をご紹介します。



さくら              茨木のり子


ことしも生きて
さくらを見ています
ひとは生涯に
何回ぐらいさくらをみるのかしら


ものごころつくのが十歳ぐらいなら
どんなに多くても七十回ぐらい
三十回 四十回のひともざら
なんという少なさだろう
もっともっと多く見るような気がするのは
祖先の視覚も
まぎれこみ重なりあい霞(かすみ)立つせいでしょう


あでやかとも妖し(あやし)とも不気味とも
捉えかねる花のいろ
さくらふぶきの下を ふららと歩けば
一瞬
名僧のごとくにわかるのです
死こそ常態
生は愛しき蜃気楼と      

             (茨木のり子詩集『おんなのことば』より)



茨木のり子さんは2006年2月、79歳で生涯を終えました。
力強く明るく深遠に唄われた世界観に幾度となく心打たれます。


赤毛のアンでもお馴染み、カナダ北東部の島「プリンス・エドワード島」では
青い色の桜が咲くらしいともいわれており、花物語に好奇心が騒ぎます。

一斉に咲き誇り、風に乗ってハラハラと散る美しい花びら。
あっという間に散りゆく春の風情の潔さ。

桜の開花が何時にも増して待ち遠しくも感じられてきます。