Aplaudoのブログ

ハンドメイド作家さんの作品を扱っている、茨城県水戸市南町3丁目のAplaudo(アプラウド)です。アプラウドの2階は、ギャラリー誉(よ)りみちです。

ある手紙から

ここに、アプラウドの作家さんから頂いた一通の長いお手紙を紹介させていただきます。
放射能」について書かれたお手紙です。
手紙という性質からも、公開するのはあまりそぐわないのかもしれませんし、
私は素人なので解りませんが、
放射能のひとつの把握例」として、考えるきっかけになれるでしょうか。
 
『こんにちは。お元気ですか。
突然ですが、放射能についてどう思っていますか?
テレビや新聞などでは、被曝とか汚染とか耳を塞ぎたくなる様な話
ばかりです。原発事故の影響で帰宅することが許されなくて
「ふるさとを失った人達。」と表現されたテレビの報道を見た時
どうすれば帰れるのかを漠然と考えたことがありました。
「除染作業がなんとか。」なんて言ってる人もいるけれど、
範囲が広すぎて現実的ではないと思います。
僕は毎日海を見ているけど死んだ魚が大量に打ち上げられている
光景を見たことはありません。テレビで見る限り福島でも野生動物も
植物も虫も生き物は、みんな元気です。数年後に、この生き物たちが、
次々に死んでいくとは思えませんでした。もしかしたら、今の福島の状況は
全く問題なくて除染する必要もない。それが最もシンプルで幸せな
答えだと、なんとなく考えました。でも実際そんなのは夢の様な話
だと自分でも思いました。
 
現実に被曝した土地はどうなるんだろうと考えると、きっと広島、長崎
みたいになるんだな。と思った時、本当にそんなに悪くないんじゃないか
と思いました。
以前、テレビの終戦記念番組で世界で唯一 広島と長崎で二度
被曝した人を見たことがあります。かなりの高齢者だったけど、
とても元気で、いろんな所で公演をしているということでした。
放射線は、癌の治療に使われたりするし、温泉にも放射能
含まれているから、このおじいちゃんは、被曝して元気になったのかな。
なんて、思ったこともありました。でも原発事故よりも前の話
だったのであまり深く考えたりはしませんでした。
いろいろ疑問はあったけど、やっぱり一般的に知られている認識が
正しいんだろうと思っていました。
しかし、オックスフォード大学のアリソン博士が書いた「放射能と理性」
という本を読んで毎月100ミリシーベルト位の放射能だったら身体
に良い事はあっても悪い事はないと知り、とても驚きました。
 
一方の意見だけを鵜呑みにするのは不公平なので、逆の意見も聞いて
みようと思い本屋へ行きました。何軒かの本屋へ行ったのですが、
どこの本屋も放射線に関する本といえば原発事故の悲惨さや
放射能の危険性、脱原発を訴える内容の本ばかりで、情報が大きく
偏っていることに驚きました。ほとんどの本が反原子力や反被曝だった
ので、やっぱりこっちが正解なのかと思いながら、何冊かチラッと立ち読
みした中で、とても興味深い事が書かれている本がありました。
サンマの番組でお馴染みの先生の本で、その本には「放射能は微量なら
問題ないと言っている学者もいるが、それは大きな間違いである。子供に
微量だからといって毒を食わせて良いワケがない。」と書いてありました。
しかし、日本のチビッ子は毎年、予防注射をしています。人間だけでは
ありません。家畜もペットも少量の毒を注射器を使って打ち込んでいます。
これは体内に毒をためてためていつか病気になって死ぬためでは
ありません。免疫をつけて病気を予防するためです。
人間の細胞の修復メカニズム、防御メカニズムは驚くほど巧みにできています。
 
放射線は人間の細胞を破壊します。破壊された細胞は私たちが無意識
のうちに常時修復活動が行われています。破壊された細胞は修復
されると更に強い細胞に生まれ変わります。これが生命維持活動です。
低線量の放射線を一定期間浴びた細胞が単回の高線量被曝に
対して死亡率が低下すると言う研究報告もあります。
人間をはじめ多くの生き物はカリウム40という放射性物質
体内に取り入れて細胞の奥で内部被曝することによって生きています。
この放射性物質が出すベータ線がないと、細胞は活動を停止して
しまいます。放射能がないと生きていけません。l
人間自身も身体に放射能を持っています。60kgくらいの人で7000ベクレル
くらいで、ラドン温泉とか好きでよく行くような人は10,000ベクレル
くらいあるんじゃないかとも言われています。そういう人の体の表面から
は、毎時0.2マイクロシーベルトくらいの放射線が出ています。
微量の放射線が本当に有害だとしたら、お母さんと子供が一緒に
お風呂に入ったら大変なことです。
 
 放射線は瞬間的に浴びる量が問題で細胞の損傷が修復を
超えない限り健康を害することはありません。放射線
身体に悪いと思い込む事の方がずっと身体に悪いです。
数年後に障害が出るとか子孫に影響があるというのも
間違いです。なぜなら破壊された細胞は、修復される度に
リセットされるからです。
累積で危ないとか奇形児が生まれるとかの話は、1927年にハーマン・j・マラー
という人がオスのショウジョウバエ放射線を当てて異常が出ないか
実験したところ二代目三代目に異常が出たため「放射線の害は
その量に直線的に比例する。」という仮説を発表して、1946年に
この仮説がノーベル賞を受賞して間違った仮説が一人歩きして
いきました。当時は染色体の存在は知られていたけど、その細部の
DNAの構造までは解っていませんでした。現在は人間の細胞では
60兆個あるすべての細胞中で一個の細胞が一日100万件の修復活動
を行うのに対して、ショウジョウバエ精子は修復活動を行わない
 
特別なものであることが判明していて、この仮説が間違いであること
は証明されています。今でもこの仮説が放射線の安全基準値に
採用されています。放射線医学者がこの基準を見直すべきだと言って
いますが規制の緩和に断固反対している組織があります。
福島の問題は、放射線による健康被害ではなくデタラメな
安全基準です。今回の事故で死んだ人は一人もいません。
しかし逃げる必要のない人達を強制的に避難させることによって
コミュニティーは破壊され多くの人達は放射線が身体に与え
る以上の大きなストレスをうけることになり、結果的に亡く
なった人もいます。これは大きな問題です。
日本の政治家は(皆アホみたいに)脱原発と言っています。
脱も卒も同じです。政治家の原発に対する意思決定の尺度は、
「親原発」と「脱原発」どちらが国民の支持を得られるか、どちらが
自分の利益になるかという点でしょう。
原子力を否定すればする程、福島の人達の帰宅が困難になる
 
だけでなく、日本はどんどん貧しくなっていきます。
確かに危険な一面もあります。しかし世の中の多くの物にも
それぞれ様々なリスクがありそれらのリスクを承知の上で
理解し受け入れてきました。
私たちは原子力の事をどれだけ理解しているでしょうか?
福島の当事者の方々の中には詳しく理解している人もいると
思います。でも多くの人達は間違った情報を与えられて何も
知らずに怖がっているだけの様に思えます。場合によっては
それでも良かったのかもしれません。しかしそれによって
大勢の人が人生が変わる程迷惑しているとしたら
こんなに悲しい事はありません。
原子力放射線の事を正しく理解するだけで
変わる可能性があるんです。
福島の人達にとっては、とても大きな可能性だと思います。
 
マスコミはこれまで原発事故の悲惨な状況と確かではない情報を
積極的に伝える事によってパニックと誤解を日本中に広めて
きました。今得もそのスタイルは変わっていません。
最近、自己当初の東京電力の人達のパニック映像が公開されました。
あんなものを今更公開することに何の意味があるのかよくわかりません。
選挙を前に原子力に対する恐怖心をもう一度植え付けるための
印象操作だと僕は思っています。 (手紙は12月5日に着きました)
 日本の放射線医学の専門家で現在の福島の状態が危険
だと言っている人は一人もいません。
どんなに低い線量でも被曝は健康に消えない傷跡を残すという
考え方を裏付ける証拠も存在していません。
逆に低線量の長期被曝による健康増進や若返りなどの効果
例を挙げるとキリがないので、あえて書きません。
もちろん何でもオッケーというわけではありません。
 
長期間の慢性被曝には超えると発癌などの危険性が高く
なる値が存在することも事実です。
放射線を浴びると元気になると世界で最初に言った
トーマス・D・ラッキー博士が現在93歳たぶん今も現役です。
ラッキー博士以外にも放射線研究の専門家は90歳を超
えて現役の研究者が多いみたいです。ラッキー博士はウラン鉱山
の石をベッドに敷き詰めて寝ているそうです。元気の秘訣は
そのおかげかもしれません。
放射線を正しく理解し上手く利用している人達が元気で
長生きなのも健康増進や若返りの効果のひとつの証拠と
考えられると僕は思います。
これからは本当に信頼できる情報を自分で選んで下さい。
そして、今までの経験の中で感じたことをもう一度考えてみて下さい。
一人でも多くの人に自分の放射線観を見直してほしいと
思っています。
 
自分の周りではあまり知られていない話なのですが、
福島では既にみんな知っているのか、あまり知られていないのか
わかりません。
もし、大熊町の娘さんが知らなかったら教えてあげて下さい。
そう思って手紙を書きました。
新しい認識が世界の常識になった時、福島の未来は
とても明るいと僕は確信しています。
長い話になりましたが最後まで読んで頂き、ありがとうございました。』   以上
 
 
パソコンを打ちながら思いました。本当に長い長いお便りでした。
人の意思や情熱は、外見からでは測れないものなんだと
今更ながら思います。
この手書きの長いお手紙を
ここに打つことで自分が少し救われたような気になりました。
 
 
……☆…
Mさんへ、お便りありがとうございました。 
 
「隠せないもの」  ゲーテ詩集より 
 
隠しにくいのは何だろう
火だ
夜はおびただしく炎がでるし
昼は煙が立って露見する
 
さらに隠しにくいのは 愛だ
それは そっと胸にたたんでおいても
たやすく目からあらわれる
 
もっとも隠しにくいのは
詩(うた)だ
 
それは しまっておくことができない
 
詩人が新しく詩をつくるとき
こころは詩情に満ちあふれているのだ
 
詩人が気持ちよく詩が書けたときは
世のすべてのひとに読まれたいと心から思う
 
詩人はそれを ひとびとに
よろこんで声高(こわだか)に読む
 
その詩が
ひとびとを悩まそうとも 
  喜ばそうとも