Aplaudoのブログ

ハンドメイド作家さんの作品を扱っている、茨城県水戸市南町3丁目のAplaudo(アプラウド)です。アプラウドの2階は、ギャラリー誉(よ)りみちです。

個性化のプロセスを追う

お店に見える方から、よく、
一点一点すべて違う「個性的な作品」がありますね、とか、
作家の個性や表情が出ていますねなどと言われます。

私も作品を見てお客様とお話するとき、
つい「個性」という言葉を借りてしまいますが、

よく考えてみると
わかるような、どうもあまりピンとこないような表現ですよね。


「自由からの逃走」という本に、
この釈然とはいかない「個性」が説明されていました。

少し抜粋してみます。



人間が周囲の自然や
人間たちから分離した存在として自己を自覚するときに始まり、

原始的な絆から次第に脱出していく過程のことを
「個性化の過程」というそうです。


個性化の過程は自動的に起こるけれど、

「自我の成長」は自動的ではない。


自我の成長は、
個人的社会的な理由で
いろいろ妨げられてしまう。


この二つの傾向のズレが、
孤独と無力を生み出してしまうのだと…。
(しかし、無力さは、「発達の生まれてくる根底」でもある。)


すべての人間との積極的な連帯と、
愛情や仕事という自発的な行為のみが、
個別化した人間を世界に結びつけるのに、
ただ一つ有効な解決方法だと書かれていました。


70年以上も前に書かれた本だとはとても思えず、展開が預言者のよう…。

わかりにくいところも沢山ありますが
にんじり?腰をすえて読んでみたいです。



(エーリッヒ・フロム著、「自由からの逃走」東京創元社)