(いま、この本のマンガバージョンが売れ行きが爆発的なようですね)
吉野 源三郎著「君たちはどう生きるか」ポプラ社 より、
少年少女向けに散りばめられた一生モノの
言葉の中から、少し大人の自分用にチョイスさせていただきます。
ー主人公のおじさんの手紙のページからー
・犬や猫も苦痛の涙をこぼし、悲しそうに泣いたりもする。だから私たちは、動物に深い愛情を感じたりするけれど、犬や猫や牛や馬などの動物には無い、人間だけが感じる最も人間らしい苦痛、苦しみがある。
それはいちばん深く私たちの心につき入ってくる、自分がとりかえしのつかない あやまちを犯してしまったという意識ー。
これほど辛いものはない。
自分が、あやまって(誤って、過って)しまった時、それを認めて、そのために苦しむということは、それこそ、天地の間で、ただ人間だけができることなんだ。
人間おたがいが、つり合いや調和がとれず衝突して生きていくべきものなら、憎み合って敵対しあうことを、苦しいものとは
感じるだろうか。
元来、お互いに愛しあい、好意をつくしあって生きていくべきものなのに、憎み合ったり、敵対しあったりしなければいられないから、人間はそのことを不幸に感じて、苦しんでしまうのだ。
人間は憎みあったり敵対しあったりすべきものではないんだ。また、持って生まれた才能を自由にのばしていけなければ うそだ。ぼくたちは、自分の苦しみや悲しみから、いつでも、こういった知識をくみ出さなければいけない。
・・・
誰もが生きていて
必ず一度はぶち当たるような迷いや悩みが
主人公のおじさんの手紙に書かれいて、
まるでおじさんの姪になったような気分で、心は子どもにかえって貪り読んでしまいます。
ナポレオンがその転落の運命を受け入れる姿について書かれた頁についても、
ほんとうの強さをみせつけられるような衝撃でした
それについてはまた次回書かせていただきます。