作家の中島京子さんが、
「自分のことを好きになれず、苦しんでいる友人に、お説教臭くならず励ますことのできる本はないでしょうか?」
という新聞読者からの質問に、実にうまく、わかりやすく
こんなふうに答えていて、脱帽でした。(8月21日、読売新聞)
↓↓
-回答-
自分のことを好きになれない友人は
何歳なんでしょう? 性別は?
洋服の趣味は?
でもいいんです。
本をあげるだけで。本を読む人かどうかも問題じゃない。
もっと言えば、どんな本でもいいんです。
突き詰めれば本じゃなくてもいいんです。
重要なのは、
「きみは自分が好きじゃないかもしれないけど、
ぼく(わたし)はきみのことが好きだよ」
と伝えることだからです。
プレゼントは「好き」を形にする方法です。
と…。
…☆
なるほど-!
この回答と行き交い、ことばとの出逢いが魅力だったのは、
自分の中の引っ掛かり、モヤモヤだった「ことば未満」を、
一瞬にして、ストンと腑に落としてしまう魔法にかけられたからです。
前触れなく、鮮やかな先制打に、
あぁ~、すっきり…!☆
としました。
中島京子さんの回答の、
「本」の文字を、「アクセサリー」や、「洋服」や、「小物」に置き換えたりすると、
アプラウドにプレゼントを選びに来られた場面が描かれてきます。
プレゼント、さて、どれにしようかと迷い、だんだん苦し紛れな表情に変化していくお客様と
その傍らで、エスコートすべく私までもが
「う~ん。うーん。どちらがいいでしょうね」、と
唸り声をあげてしまってるあのお馴染みの?場面を、(笑)
ヒョイとすくいあげてくれる気がします(*^_^*)
贈り物をもらったとき、
または、差し上げるときにも、色々と考えてしまうものなのですが、
その過程も含めて、
やはり、その人への「思い」というのが一番大切ですよね。
思いは測ることはできず、触ることもできず、
ましてやそれを相手に伝えて、その上、理解してもらうなんて、実はかなり困難な期待と、ハイレベルな行為であるのかもしれません。
けれど、ハート、思い、気持ちを伝えることは困難でも、
そのときの確かな「思い」や感謝を、込めることならきっとできるし、
そこに純粋な思いが込められるからこその、輝きがあるのだと思います。
本来、自分のイメージを考えて選んでくれたんだ、と感じとれたなら、無条件で嬉しいはずだし…。
しかも、手作りのものには、はかなくて、愛しさと、ぬくもりとが、そっと距離を埋めるかと思います(*^_^*)
そう考えると、お客様との出逢いも素敵な感じです。
…☆
ところで、冒頭の、説教臭くならずに励ますことのできる本とは、
ディケンズの「大いなる遺産」と
奥泉光の「桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活」 という本だそうです。
どちらも読んだことがないので、読んでみようかなぁ~☆(^^)☆