明治にお生まれになった教育者、
森信三先生の著書から、しみじみと響いてくる箇所を
少し、眠る前に、抜粋させていただきます。
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そもそも人間が志をたてるということは、
いわばローソクに火を点ずるようなものです。
ローソクは、火を点けられて初めて光を放つものです。
同様にまた人間は、
その志を立てて初めてその人の真価が現れるのです。
志を立てない人間というものは、いかに才能のある人でも、
結局は酔生夢死の徒にすぎないのです。
そして、酔生夢死の徒とは、その人の心の足跡が、
よたよたして跡かたもなく
消えていくということです。
そこからしてまた私達は、また野心 という言葉と
「志」 という言葉との区別をせねばならぬでしょう。
野心とか大望とかいうは、
自己中心のものです。
自分の名を高め、自己の位置を獲得することが
その根本動機となっているわけです。
ところが、真の志とは、
この二度とない人生を
どのように生きたら、
真にこの世に生まれてきた
甲斐があるかということを考えて、
心中につねに忘れぬということでしょう。
ですから結局最後は、
「世のため人のために」という所がなくては、
真の意味で志とは言いがたいのです。
「修身教授録」森信三 (到知出版社)より
…☆…
当時、40歳前後だった森信三先生が、
学生たちにお話になったという記録本です。
とてもわかりやすくて、
いまの私たちにも、身に染みてきます。
70年余り前とはとても思えない、人生不滅の教科書を見つけることができて
ラッキーでした。
(オススメします)
静かに、志を燃やしている人が、私の周りにもたくさんいると思うのです。
けれど、一生志を持ち続けることは、並大抵ではないはずだから…。
一日続いた雨で
夜空は曇っていて見えませんが、
今晩は満月ですね。
それでは、おやすみなさい(^-^)